明日はゲームかアスカ

赤いプラグスーツとレトロゲームを愛するブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

【読了】『新ゲームデザイン』 著者 田尻智

ポケモンの中の人、田尻智氏の本『新ゲームデザイン TVゲーム製作のための発想法』を読みました。
ゲームを観察して分析して製作者の意図や何故面白いのかを読み取ろうというような内容の本です。

特筆すべきはこの本の初版発行が1996年1月1日であること。
最初のポケモン、『ポケットモンスター赤、緑』が発売されたのは1996年2月なので、ポケモンで超有名になる以前に出版されていることになります。

ほら、売れてからならナニ言ったって通っちゃうじゃない?w

売れる直前に出た本、というだけでも読みたくなります。
最も田尻氏はもともとライターですからね。本ぐらい出しますよ。

田尻氏はナムコ黄金期世代のようなので、必然的にまずとりあげられるゲームは『ゼビウス』や『パックマン』に始まります。
ゼビウスの序盤は何もしなくても死なずにある程度進める親切設計とか、自機ソルバルウが画面右側にいれば敵機は左から、左にいれば右から出てくる。とかね。
パックマンでは乱数を一切使わないデザインで、4匹の敵は常に決められたロジックで行動している。
ランダムに動かれてはプレイヤーは一切上達できない。パックマンは毎回同じように動かせば敵も同じ動きを再現するデザインなんです。
反対に『テトリス』は乱数を活用したデザイン。次に落ちてくるブロックは完全にランダムです。ではプレイヤーは上達しないかというとそんなことはない。
本書にはテトリスにおけるプレイヤーの段階的なスキルアップについて書いてありました。
引用させてもらうと

第1段階:まず隙間なく並べるというルールを理解します。
第2段階:ブロックを回したら、次にどんな形になるか、予想して遊べるようになります。
第3段階:落ち始めてから置き場所を考えては、間に合わないかもしれません。そういう事態に備え、次の落下ブロックの種類を、いつも注意してチェックするようになります。
第4段階:4段まとめて消す、テトリスなどの存在、1度に多くの段を消すことを覚えます。
第5段階:端を空けてブロックを積み上げ、テトリスを作る赤い縦棒を待つようになります。下手になったのではなく、ある程度上手くなったのです。後で有利な展開になると見たら、一時的に自分を不利な状況に置けるようになります。

このように『テトリス』は、プレイヤーが、あるテクニックを取得したら、次はこれを覚えます、次はこれを覚えます、と美しい習熟曲線が用意されています。


ということです。
ゲームデザインをする人や、ゲームが好きな人たちはこういう分析を日夜行っているかと思いますが、テトリスほど一般ユーザーに受けた作品は、このような仕組みを仕掛けることで受けていた、となるわけです。他にもいっぱい要素はありますけどね、ブロック数は3つでも5つでもなく、4つにした。これは回転させたときの設置面の数などにおける確率から選択されたこと、とかいろいろ書いてありました。
正直テトリスのことをあまり深く考えたことはなかったので、いい勉強になりました。

最後に本書の中でも引用されていたカイヨウの遊びの定義という文をここでも引用紹介しておきたいと思います。

さまざまの可能性を検討した結果、その目的を達成するために、私は、ここに四つの項目による区分を提案したい。すなわち遊びにおいては、競争か、偶然か、模擬か、眩暈か、そのいずれかの役割が優位を占めているのである。私はそれを、それぞれアゴン(Agonギリシャ語、試合、競技)、アレア(Aleaラテン語、さいころ、賭け)、ミミクリ(Mimicry英語、真似、模倣、擬態)、イリンクス(Ilinxギリシャ語、渦巻)と名づける。これら四つはいずれも明らかに遊びの領域に属している。サッカーやビー玉やチェスをして遊ぶ(アゴン)、ルーレットや富くじに賭けて遊ぶ(アレア)、海賊ごっこをして遊んだり、ネロやハムレットを演じて遊ぶ(ミミクリ)。急速な回転や落下運動によって、自分の内部に器官の混乱と惑乱の状態を生じさせて遊ぶ(イリンクス)。(中略)それらは(ただ)遊びの世界を、それぞれ独自の原理が支配する四分円に区分する。それらは、同種類の遊びをひとまとめにする扇形の境界を決める。ただしこれらの扇形の内部では、さまざまな遊びが、一定の順序にしたがい、等差級数ふうに段々に重なりあってならんでいる。
(引用:『遊びと人間』著者/ロジェ・カイヨウ 講談社学術文庫)


『新ゲームデザイン TVゲーム製作のための発想法』著者 田尻智(復刊ドットコム)
関連記事

Newest

Comment

Leave a comment

Designed by Akira.
Copyright © 明日はゲームかアスカ All Rights Reserved.
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。